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③ ② ① 加熱器周辺断面図④板 ③シリン5.1 2003年~2006年(6)5.2 2007年表4 スターリングエンジン加熱器周辺の部品変化1/20105.3 2008年5.4 2009年 図5には,同一の学生が作成したスターリングエンジンカーを示す。テクノラリー参加前(図5(a))は,前述したLSE-01エンジンを参考に機体を製作した。機体の80%程度Alを使用したが,重量的にはテクノラリーで入賞した他校の機体より重い。テクノラリー参加後に製作した機体(図5(b))は,4輪から3輪に変更されたことに加え,さらなる軽量化やガイドやつかみ部が増設され,より大会を見据えた機体へと改良が加えられた。 機体の軽量化の次に取り組んだ課題として,ピストン周辺の気密性の強化を試みた。2007年度に製作した加熱器周辺の変化を表4に示す。 LSE-01型に代表されるα型スターリングエンジンの膨張ピストン周辺は,①加熱器,②連結板,③シリンダカバーの順序で締結されている。また各部品の間には気密性向上のために不燃性のパッキンが挟み込まれている。この部品点数の多さが,接合部分を増加→膨張ピストン内部の気密性の低下→エンジン出力の低下,を引き起こす原因であると考えた。テクノラリー参加後,部品点数の見直しをねらい,表4中の④に示す「一体型加熱器」を設計製作した。結果接合部分がなくなったことによって気密性は向上し,加えて部品数が5部品から1部品に減少したことにより,大幅な軽量化も達成できた。またテクノラリーに参加した学生すべての2号機は,軽量化や形状の変更など大幅な改良が施されていた。 2008年に開催されたテクノラリーから,競技クラスの規定変更から耐久ミニクラスへと変更された。図6にはテクノラリー参加機体を示す。機体は⑴耐久性能を向上させるための高効率化,高出力化,⑵宙返り可能な速度を実現するための軽量化,を目標として作成を行った。 2つの改良目標を達成するために,⑴2007年に行った加熱器周辺の部品点数,形状のさらなる見直し,フレーム周辺に改良および出力軸周辺の軽量化を図った(図中①,②部参照)。⑵熱交換の行われる再生器を連結板内部に設置するのではなく,銅パイプを使い外部に設置し,冷却効率の向上などから高効率化を図った(図中③部参照)。これらの改良の結果,テクノラリーにおいて図2に示すコースのループを2回転させることに成功した。 2009年に開催されたテクノラリーでは,2008年に取り組んだクラスに加えて,新たにRCクラスおよびクーラークラス参加マシンの作成に取り組んだ。この2クラスのマシンについて述べる。③連結部③連結部図6 2008年耐久クラス参加機体②加熱器②加熱器①フレーム①フレーム27テクノララリー前①加熱熱器 ②連結板テクノノラリー後ダカバー ④④一体型加熱器器

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