8.今後の課題9.まとめ8.1 電気分野8.2 機械分野8.3 金属分野 平成20年度は,電気関係のコースとして電気・通信施工技術科を実施し,平成21年度からは電気設備科も実施している。現在実習場が1ヵ所しかなく,他科との調整が難しいため机上での作業が多くなってしまった。訓練生の習得度アップを図るためにはもう1ヵ所実習場を確保する必要がある。 機械関連の知識として,訓練生から油圧に関する訓練も行ってほしいという要望があり,取り入れていく必要があると感じた。一方,幅広く対応できるように編成したカリキュラムであるが,習得する知識の量が膨大になり,訓練修了時には座学で行った内容は忘れてしまうなどの意見もあった。実習にうまく結び付けを行うよう課題の工夫や実習の充実を行っていきたい。 現在,この科の訓練は3期生を迎えているところであるが,溶接関連の訓練を担当して問題に思うことは,絶対的な訓練時間数が足りないことである。これは溶接関連に限ったことではなく,5ヵ月間の短い期間に電気・シーケンス・CAD・機械保全・溶接等の技術を身につけるため,広く浅い習得となってしまう。特に溶接は反復練習次第で上達具合は大きく変化する。前文ではさまざまな資格が取れるという理想的な記述をさせていただいたが,あくまで免許取得にすぎず,技能の上達は資格を取ってからどれだけ練習するかである。これが時間不足のため実施できていない。 溶接関連の職種に就こうとする訓練生には,補講として練習の機会を提供しているが,全員にではない。就職先として電気・機械分野も選択できることにより,訓練生個々が補講で吸収したい内容が異なる。電気分野での補講,機械分野での補講を合わせて行おうとすると,全員がそれぞれの補講を受ける5/20091)愛媛県統計BOX 工業統計調査http://www.pref.ehime.jp/toukeibox/datapage/kougyou/kougyou-p003.htm2)愛媛労働局 最近の雇用失業情勢http://www.e-roudou.go.jp/tokei/2009/0912/20090912_01.pdf3)愛媛県統計BOX 工業統計調査http://www.pref.ehime.jp/toukeibox/datapage/kougyou/kougyou-p002.htmことができない。溶接分野の補講も同じで,習得時間が足りないのである。この背景には,講師不足の問題,実習場が確保できない問題等がある。また,訓練生側も選択できる分野が多くありすぎるため,自分の進路に迷いが生じ,なかなか前に進めないことが考えられる。 設備保全サービス科または生産システム技術科は3系にまたがる科のため,各系の指導員が協力して実施をする必要がある。特に企業開拓は訓練生のニーズが電気系・機械系・金属系と幅広く苦労しており,委託を受ける企業も徐々に増えているので,各指導員が積極的に企業訪問を行い,企業とのつながりを密にする必要がある。また,企業実習先が決まると自分が行く企業で特に必要のない要素の訓練には興味を示さないという傾向が見られ,先々必要であることは伝えているが目先のことだけしか考えられない訓練生も一部存在した。このような訓練生に対してどのように対応していくかも今後の課題である。 中小企業の製造業が多い愛媛県において,若者のものづくりへの関心が低下してきていることは大変な問題である。こうした若者がものづくりへ興味を示し,仕事として携わっていける仕組みづくりをすることはわれわれにとって重要な使命である。今後とも地域の方々や企業を大切にし,必要とされる施設であるために私たち指導員は努力していく必要があると考えている。21<参考文献>
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