4/2009
25/44

3.技能・技術の教育訓練の運営とスキル評価に対して技能・技術とヒューマンスキルおよびビジネスマインドの3つのスキルのバランス良い育成を目指すこととなった。この3つのスキルを育成するための教育訓練手法や訓練運営管理を整理すると表1となる。 「技能」と「技術」については後述の3.に詳細に示す教育訓練のためのテクニカルユニットによる計画的OJTにて主として運営を行っている。 人間性の面として種々の側面が求められる「ヒューマンスキル」についての必要な要素の抽出には,過去に事業所内の職員の中から優れた調査員を選出する年間表彰制度である「調査員オブ・ザ・イヤー」の選考時に使用したコンピテンシーの細目を整理して活用した。その内容を表2に示す。 これらの要素は管理職および各職員の両者側が共に採用したパラメーターであり,事業所内の多くの職員が納得している能力要素であるといえる。このヒューマンスキルについての育成は,調査員オブザイヤーにて選出された各先輩職員とマンツーマンによるOJTで業務対応や引継ぎを行い,加えて職制を通した指導により各職員が気づき・感じ取り・身に付けていけるように配慮している。 もう1つの「人」の面である「ビジネスマインド」の側面については業績貢献できるという方向性から,営業マンとしての活動も考慮して, ○業務効率化の推進 ○品質・納期・コスト ○営業問題の解決 ○渉外関係の構築等の細目を抽出した。このビジネスマインドの育成は,外部研修活用のほかに,OJTとして営業部署の職員と同行を行い,上司の指導のもとに担当の物件を処理する過程で逐次行っている。 育成に必要な3つのスキルに加え,サンプリング作業以外の支援業務も含めた事業所内の業務全体の能力ユニットの構成を表3に示す。高度熟練・多能が求められる技術者には,同時にマーケティングや付加価値を生む能力の育成も求められ,また適正なサンプリング作業の実現には調査実作業ばかりでは23ヒューマンスキルビジネスマインド技能・技術3つのスキルをバランスよをバく兼ね備える表-1 調査員に必要なスキルと訓練手順表1 調査員に必要なスキルと訓練手順表2 ヒューマンスキルの抽出4/2009表-2 ヒューマンスキルの抽出表2 ヒュマンスキルの抽出技能内容各技術の作業各技術の知識訓練手法・OJT (テクニカル   ユニット)訓練運営・教育システム 調査員オブ・ザ・イヤー選考の要素第1回タフさ,ポジティブ,何とかする力,(手際がよい,知識・技術力)タフさ,行動力,調整力,人間性,(知識・技術力)性,(知識技術力)第2回 優れた調査員の持つ能力(コンピテンシー)○忍耐力・タフさ○責任感・行動力(≒ポジティブ)○交渉力・調整力○柔軟性・何とかする力○統率力・チームワーク(←人間性)  ※手際がよい,知識・技術力は「技能」としたヒューマン技術調査業務に共通の素養・self-JT・off-JT・資格取得・OJT (マンツーマン)・面接指導・キャリア形成 面接・自己啓発・教育システム・先輩からの業務 引継ぎ・職制を通した指 導(整理)ビジネスマインドスキルビジネスマンとしてのスキル・off-JT・OJT (営業職員       同行)・職制を通した指 導 図-2 求められる3つのスキル図2 求められる3つのスキル

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る