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2.知識集約型産業という見方 にもかかわらず,当社は社員約150名,課長以下の平均年齢が28.7歳で,9割の社員が新卒社員で占められている会社であります。これは,業界においてきわめてまれな例であるといえると思います。 個人的意見でありますが,本当は機械をつくるよりも修理の方が難しいのではないかと思っています。機械は現在,非常に精度の高い工作機械によって部品加工されていますので,組立過程において比較的安易に精度等が出やすい状況にあると思います。しかし,修理というのは,何が起こるかわかりません。組立はもちろん,メカ,油圧,電気についての知識も要求され,何よりも,瞬時に総合的な判断能力が必要とされます。本来,メンテナンス会社(部門)は,非常に優秀な技能を持った集団でなければならないはずなのに,そのほとんどは新規製造過程に組み込まれ,修理に従事することは,むしろそうでない人たちの集まりのような扱いをされている傾向があるのではないかと思います。それは間違いなく,マイナーな意識を持ち続けた業務遂行であり,働く人たちにとっては歓迎されない環境であると言わざるを得ません。 このような職場でありながら,当社での新卒社員が成長していく過程は,まさに「社員教育」の重要性と,そこに取り組むべく「環境づくり」の継続性を意味しているのではないかと考えます。 創業以来,当社のビジネスモデルを「知識集約型産業」ととらえ,愚直にまい進して参りました。特に,技術・技能の点では,ともすれば1人ひとりが得た技術は,その人に付いてしまう,いわゆる「属人性」が強いところを「標準化」し,社員全員で「共有化」するという意識付けを行ってまいりました。 そのために,社内にあるありとあらゆる情報を「公開」し,社員全員に教え,理解させる運動を継続的に行っております。これは,技術・技能のみならず会社の経営に携わる情報までも公開し,共有化しております。これにより,社員自らが考え,行動する概念が1人ひとりに植え付けられ,それゆえに自分たちの役割りが明確にわかるという環境になっております。 そのなかでの特に「技術・技能の共有化」であり11作業風景(本社工場)4/2009作業風景(設計部)作業標準

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