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4.おわりに備したのは,関連知識を総合して,知識を知恵に昇華することができるバランスのとれたエキスパートを育てたいからだ。当社の共育体系を図10に,人材育成共通共育プログラムを図11に示す。受講対象者は入社5年未満の社員で,現在約200名である。共通共育プログラムの36講座を3~4年で受講してもらう計画だ。 共育プログラムのカテゴリーごとにリーダーを選任し,リーダーの下に講師を配置した。講師はリーダーの指導を受けながら自分の担当講習の資料作りをし,仕上げとしてHP/SCのヒアリングをパスしなければならない。 各講師はその分野では社内の一人者であるから,専門知識に問題はないのだが,人とコミュニケーシンを取りながら伝えていくことの難しさに戸惑う。 この経験を通し講師,すなわち中間管理職,将来の幹部候補生を育成する養成プロセスととらえている。教える側が育つ,教えられる側も育つ共育システムになっていくのではなかろうか。 毎週木曜日を「共育の日」と定め,高木手づくり共育講習会を開始した。本年2月11日(この日だけは水曜日であったが)いよいよ第1回講習会を開催した。記念すべき第1回は社長が担当した。テーマ名は特別に付けなかったが,「トップ経営者からみた高木製作所の今までの歩みとこれから・・・」といった内容で話しがまとまった。受講者は若い一般社員32名。めったに聞けない話しであった。「会社の歴史にそんなことがあったのか」「そのとき社長はそんなことを考えていたのか」などの新たな発見があった。写真3は第1回の講習会の風景である。 小生は「高木の技術マネジメント」と題して話そうと思っているが,入社間もない人に難しいことをしゃべっても眠くなるだけなので,技術者として,サラリーマンとして,家庭人としての経験,特に失敗談などを紹介してみようと思い描いている。どんな反応を示してくれるか楽しみである。4/2009*1;共育 ㈱資生堂の岩田副社長の講演より*2:㈱エリジオンhttp://www.elysium.co.jp*3:㈱アルモニコスhttp://www.armonicos.co.jp*4;野中郁次郎:『アメリカ海兵隊』,中公新書,1995. 今後,一般共育,専門共育と回を重ねるごとに失敗や発見があると思う。“高木の共育はかくあるべし”といった確たるものなど今はない。今は“Doあるべし,行動しなければ何も生まれない”との信念で走りはじめている。 今回はアイシン技能士会様からのお薦めで,拙い事例を報告させていただいた。 前半は経済産業省のデジタルマイスターで開発したシステムの紹介で,以前「素形材」(素形材センター発行)に発表した内容を書き改め,システム全貌がわかりやすい表現にした。 後半の社内共育については,今やらなくてもだれかがいつかやるだろう,といったのん気な課題ではないので,清水の舞台からみんなで飛び降りたのが実情である。スタートをしたばかりで,プロセスについても期待効果についても,筋立ててまとめることができなかった。今後何かの機会があれば,その折にこの行動が生み出した成果をご報告させていただくことでお許しをいただきたい。93.4 共育講師づくり3.5 運用状況写真3 第1回の講習会<参考文献>

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