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4.キャリア形成支援ツールとしてのジョブ・うことにより効率的なジョブ・カード交付事例を共有化し,研修としてジョブ・カード作成および交付に関するワークを実施して,能力開発支援アドバイザーの資質の向上に努めた。 平成20年4月以降に開講した委託訓練活用型デュアルシステムからは,カリキュラムの後半で実施する職場実習(実習型訓練)においてジョブ・カード制度に基づく評価シート(様式6)を用いた能力評価を行うこととなったため,委託先の担当者を集めて,評価シートの作成および能力評価の実施について説明を行った。 併せて,キャリア形成支援ツールとしてのジョブ・カードの活用についても説明を行い,就職支援に係る訓練カリキュラムの中に「ジョブ・カードの作成」を採り入れることを勧奨した。 制度開始当初に開講した委託訓練活用型デュアルシステムの訓練受講者へは,ジョブ・カード制度の周知が十分に行われていない状況であったため,委託先の協力を得て,愛知センター職員が委託先に赴き訓練受講者に対してジョブ・カード制度の説明を行い,委託先との時間調整を踏まえて,可能な限り訓練時間内での個別のキャリア・コンサルティングの実施に努めた。 平成20年8月以降に開講したコースの訓練受講者からは,訓練開始までにジョブ・カードの交付を受けた者と受けていない者の人数が半々の状態となったため,委託先の協力で,交付を受けていない訓練受講者を愛知センターの能力開発支援コーナーへ誘導してもらい,キャリア・コンサルティングの実施を行った。 平成21年1月以降に開講した委託訓練活用型デュアルシステムからは,訓練受講者全員が訓練開始までにジョブ・カードの交付を受けた状態となったことから,ジョブ・カードによるキャリア・コンサルティングが実施済みであることを前提とした就職支援の対応をお願いし,併せて,訓練申込時の限られた時間でジョブ・カードを交付したため,個々の訓練受講者ではジョブ・カードの完成度にバラつきが4生じていることから,訓練期間中の就職支援の時間を活用してジョブ・カード作成のフォローアップを行うなど,ジョブ・カードの完成に向けた取り組みを依頼した。 制度開始当初は,各能力開発支援アドバイザーごとにさまざまな戸惑いがみられたが,能力開発支援アドバイザー連絡会議での意見交換や個々に相談経験を積み重ねたことにより,「ジョブ・カードの作成を通じたキャリア・コンサルティングによって,求職者が自分の適性や能力に関する強みや課題を整理のうえ,委託訓練活用型デュアルシステムの受講目的が明確となり,職業訓練への的確な誘導を行えるキャリア形成支援ツール」としてのジョブ・カードの有効性について,再認識が図れた。ここに,ある能力開発支援アドバイザーの相談事例を紹介する。〔ジョブ・カード再交付で訓練に合格した事例〕 平成20年10月初旬,11月開講訓練コース申込の31歳女性の相談。希望職種は一般事務で7年間の事務職経験あり。ジョブ・カードはパソコンで記述されておりパソコン操作への関心が強く感じられた。パソコンスキルを指導できるレベルまで高めたいとの意向で,自己啓発意欲が感じられる方だったが選考結果は意外にも不合格。 その後10月末に12月開講訓練コースで前回同様のカリキュラムのコースを申込。前回のジョブ・カードはそのまま使用せず再度相談を行うこととし,職務経歴を再度見直して仕事理解を深め,希望する職務を具体的に選択肢として記述してもらうこととした。 11月の2回目の相談では,詳細な職務経歴内容が記述されており,事務職として調整レベルの仕事をこなしていたこと。プレゼンテーショ技能と技術3.3 訓練委託先との連携カード

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