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1.はじめに2.相談体制の整備特集 平成20年4月から始まったジョブ・カード制度の施行に伴い,従前から民間教育訓練機関を活用して実施していたデュアル訓練(座学と職場実習とを組み合わせた職業訓練)は,「委託訓練活用型デュアルシステム」としてジョブ・カード制度における職業能力形成プログラムの1つに組み込まれることとなり,訓練申込時や訓練修了後におけるジョブ・カードを用いたキャリア・コンサルティングや,訓練修了者に対する能力評価の実施など,充実が図られることとなった。 この「委託訓練活用型デュアルシステム」の実施に当たり,当愛知センターが愛知労働局および県内各ハローワークなど関係機関と連携のうえ行ったさまざまな取り組みについて報告する。 今般のジョブ・カード制度の特色の1つとして,求職者がジョブ・カードの作成を通じ,登録キャリア・コンサルタントによる相談を受けられることにより,求職者自らが自己の今後のキャリア形成について明確化できることがあげられる。 そのためには,ハローワーク等における相談体制の整備を図る必要が生じたため,登録キャリア・コンサルタントを養成し,登録キャリア・コンサルタントがすべてのハローワークへ巡回する体制の整備2に取り組んだ。 前年度末に能力開発支援アドバイザー等に対し,ジョブ・カード中央講習を受講した当センター職員(能力開発総合アドバイザー)が講師となって,ジョブ・カード地方講習を実施した。 その後も,新規に能力開発支援アドバイザーを採用したつど,新任研修の一部としてジョブ・カード地方講習を実施し,また,ポリテクセンター中部およびポリテクセンター名古屋港の職員(職業訓練指導員および訓練受講者の職業相談に携わる職員)に対しても,ジョブ・カード地方講習を実施して,登録キャリア・コンサルタントの養成に努めた。 加えて平成20年12月からは,愛知労働局と共催で各ハローワークの職員(各種相談員および紹介業務担当職員)等を対象にジョブ・カード地方講習を毎月1回(計4回)実施し,登録キャリア・コンサルタントを養成した。技能と技術独立行政法人雇用・能力開発機構愛知センター小野 政明2.1 登録キャリア・コンサルタントの養成2.2 ハローワークへの巡回および相談体制の整備 愛知労働局と調整のうえ,登録キャリア・コンサルタントの資格を持つ能力開発支援アドバイザーが,2ヵ所の出張所を含む県内18ヵ所すべてのハローワークと「ヤング・ジョブあいち」(ジョブ・カフェ)へ巡回して相談できる体制を整えた。 なお,ハローワークへの能力開発支援アドバイザーの巡回日は限られているため,ハローワークの協力を得て,相談は予約制を採り入れ,併せて委託ジョブ・カード制度と職業能力形成プログラムへの取り組み――――――1委託訓練活用型デュアルシステム受講のためのジョブ・カード交付に向けた取り組みについて

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