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2.研究概要1.はじめに注1)Web3DとはWeb上での3次元グラフィックスの表示とその仕組みの総称である。今回のプレゼンスタイルでは室内のウォーク・スルーが可能で,床・壁・カーテンの色を変更することや家具を入替えができる。また,各インテリアエレメントについては商品情報のコンテンツへリンクできる仕様としている。 IT技術の進展とブロードバンド時代を迎え,建築・インテリアのプレゼンテーション・スタイル(以下プレゼンスタイルと称す)が多様化している。従来の紙媒体によるプレゼンスタイルから,インターネットを活用したコンペ形式のプレゼンやユーザと一緒に共同作業で作り上げるコミュニケーション・ツールとしてのプレゼンスタイルなどPC画面上でのデジタルプレゼンテーションへと広がりをみせている。その背景には,ウォーク・スルーはじめとした仮想空間体験が提案空間イメージをより現実味のある理解しやすいものにしていることとインターネットの活用が時間と場所を選ばないプレゼンスタイルを可能にしたことにある。 この研究では,従来型の紙を媒体としたプレゼンスタイルとコンピュータを活用したプレゼンスタイルの種類の違いによって,情報の受け手側の内容評価と材質感および内容理解度ならびにそれに及ぼす影響の要因について明らかにすることを目的とする。3/2009 Web3D注1)インテリア・プレゼンテーション手法の有効性について検証するに当たり,評定対象となるPC画面の最適なプレゼンスタイルのレイアウトデザインを決定するために事前実験を行った。なお,プレゼンスタイルのレイアウト構成要素はインテリアコーディネータ有資格者4名の協力を得て,要素シミュレーション結果をもとに決定した。 プレゼンボード評価に使用する容詞語句を選定するためにインテリア空間を表現する70形容詞語句を抽出した。その形容詞語句を用いてインテリア空間の評価結果を因子分析にかけ,その因子負荷量によって各因子を代表する3対の形容詞語句を選定した。選定した形容詞語句対は「優れた-劣った」「質25九州職業能力開発大学校森永 智年2.1 事前実験図1 研究概要フロー調査研究報告― インテリア・プレゼンテーションの媒体の違いによる比較評価 ―Web3Dインテリア・プレゼンテーション手法の定量的評価について

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