3/2009
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5.統一技能講習会への参加6.模擬練習台での訓練 生徒は岐阜県左官業組合連合会主催による技能検定受検者のための統一技能講習会に参加した(図4)。この講習会はすべての級の左官技能検定実技試験対策として毎年実施されており,組合員の方々による直接の指導が得られる。 講習会は,入校後1週間後に実施されたため,生徒は十分に鏝に慣れることや,試験課題を見る機会もなく講習会に臨んだ。このような状況で,受検生はそれぞれの試験台に向かい,ほかの受験生に交じり実技課題作成の手順および急所等の指導をしていただいた(図4)。参加者の多数は,現場で現役として活躍されている左官職人であり,彼らの技を直接目にする機会や,また彼らとの交流もあり,大変勉強になったことであろう。 同時に,指導する側として,講習会を受講するまでは,課題の作成手順が生徒それぞれで異なっていたことや,急所となる平滑度の出し方や直角面の塗り方等,不明な部分が多々あったが,受講によりこれらが解消されたことで,今後の練習方法に道筋をつけることとなる大変有意義な講習会であった。 講習会受講後,左官技能検定パンフレットの試験台形状(図5)をもとに,模擬課題試験台(図6)を製作し,これを使用して生徒に反復練習させるという方針で,実技課題の指導方法がより明確になった。 実技練習では,セメントモルタルの代用として石灰モルタルを使用した。これは,セメントモルタルと同等な感覚で塗り作業ができることや,セメントモルタルと異なり使用後も再利用ができること,練習台を傷めない等の利点がある。模擬練習台を用いての訓練は,週2~3回,試験課題に慣れるための初期と試験間近の2つの段階に分けた。実技試験では「仕上がりの美しさ」や「寸法の正確さ」,「材料の調整」から「“こて”の操作方法」まで採点される。14技能と技術図4 統一講習会での当校生徒の練習風景(「3級左官(左官作業)のご案内」より)図6 作製した3級左官技能検定の練習台図5 試験課題挿入図

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