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<参考文献>物的用あるいは機能美ではなく物心への用と汗の無い工藝は美の無い工藝であると述べている7)。また,世阿弥が能の世界において述べたとされる「守・破・離」は伝統を守る大切さとともに既存の型を破り(ブレークスルー)新たなものを創造する(イノベーション)重要性を説いている。「巧みの技」で代表される優れた熟練技能者によって最先端技術を支える部品の一部が作られていることは良く知られているが,近年その継承が危ぶまれていることは憂慮される。次世代の生産システム構築においては,我が国伝統工藝のもつ価値観や日本人の自然観や倫理観さらに精神性を基盤とした新たなマインドセットの創出が重要である。日本的なものの見方や考え方によるマインドセッかんだ ゆういち略歴工学博士,日本機械学会フェロー,精密工学会フェロー1971年 ㈶機械振興協会技術研究所1991年 東洋大学助教授1994年 東洋大学教授2011年 東洋大学副学長2017年 東洋大学名誉教授元プロジェクトマネジメント学会会長,電機工業会ネットワーク推進特別委員会委員長専門:精密加工学,生産システム工学-2-1) 経済産業省:「2017年版ものづくり白書」,経済産業省,(2017)2) 伊東誼:「生産文化論」,p.230,日科技連出版(1997)3) E.S.モース:「日本その日その日」,p258,平凡社(2011)4) ドナルド・キーン:「東日本大震災コメント」,朝日新聞(2011)5) ワンガリ・マッタイ:「モッタイナイで地球は緑になる」,p.280,木楽舎(2005)6) エディー・ジョーンズ:「ハードワーク」,講談社(2016)7) 柳宗悦:「工藝の道」,p.368,講談社学術文庫,(2005)トを加味することにより新しい価値創造を付与していかねばならない。我が国における新たなものづくりのシナリオを創るためには知の集積としての産官学連携を深めることも極めて大事である。そこから生まれる新たな持続可能なものづくりは世界に十分通用するであろう。

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