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図1 第54回技能五輪全国大会電工職種課題図面(山形県の鳥「おしどり」がモチーフ)え,技能五輪では,以下に示す技能要素に対して競技を行う。①与えられた配線図や施工条件などから電気設備の仕様,作業内容,使用する器具・材料および工具などを読み取り,仕事の段取りができること。②器具・材料の取り付け,配線および配管などの作業が正しく,速く,きれいにできること。③シーケンス制御の内容を理解し,それを実現するためのプログラミングができること。④回路の動作確認が適切に行えること。一例として,第54回大会(2016年,山形)の課題図面を図1に示す。電工職種では,正面および側面からなる木製の作業板上への配線工事と小型PLCへのプログラミングとを行う。課題には事前に公表される部分と,競技当日に発表・決定される部分とがある。さらに,公表された課題の一部(20%以内)が変更される可能性がある。工事としては,動力設備配線工事と照明・コンセント設備配線工事とがあ-34-る。動力設備配線工事については,誘導電動機の運転制御を有接点シーケンス制御回路で実現する。照明・コンセント設備配線工事については,スイッチ,照明およびコンセントを用いた通常の電灯回路と小型PLCによる照明の制御回路とが含まれる。配線の種別としては,金属管配線,合成樹脂管配線,PF管配線,ケーブル配線に加え,ダクトやメタルモールを用いた配線なども含まれる。なお,毎回の大会で共通の事項については,技能五輪全国大会電工職種競技規則にまとめられている。この規則には,競技の概要や競技ブースの大きさ,基本的な施工方法に加え,次節以降で述べる採点基準,使用治工具,保護具の着用についても記されている。3.2 競技課題の決定プロセス競技課題は,競技委員および参加選手の所属企業からの代表者が出席する職種連絡会で原案が決定される。各企業から競技課題案が提案され,出席者による投票で課題案が決まる。決定された課題案に対する意見などを踏まえ,変更・修正されたものが公

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