図6 競技委員・競技補佐員に職業大教員・卒業生が 占める割合〈謝辞〉競技運営,および競技採点に関わる業務に携わっている。「電子機器組立て」職種の競技課題は,競技当日まで非公開である。公平性確保のため,競技に参加する選手が所属する企業,学校に競技委員,および競技補佐員への就任を原則として認めていない。このため,職業能力開発総合大学校(以後,「職業大」という。)の教員を中心に競技運営を行っている。図6に競技委員,競技補佐員に職業大教員,および職業大卒業生が占める割合の推移を示す。2016年第54回大会においては,競技主査,競技委員として,職業大教員5名,および職業大卒業生1名が従事した。また,競技補佐員14名のうち,職業大卒業生の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の職業訓練指導員6名,職業大卒業生の都道府県職業訓練施設の指導員など3名が従事した。ここ8年間では,職業大教員,および卒業生が,競技委員,および競技補佐員に占める割合は,常に75%を超えている。競技を公正に,確実に,遅滞なく運営する観点から,職業大教員,および卒業生の全国大会における役割の重要性,および技能振興の推進役として期待されていることがうかがえる。競技を運営する立場からは,その時代に「電子機器組立て」職種に求められている技能は何かを的確に捉えなければならないことを念頭に課題を作成している。併せて,全国大会に参加する選手の技能を的確に評価できる課題,および評価基準,国際大会-32- 助言をいただき,資料を提供していただいた神奈川県立産業技術短期大学校の矢島康治氏に感謝する。で通用する課題でなければならないことも考慮している。全国大会で選抜された日本代表選手が,国際大会で活躍するためには,国内大会の課題が,国際大会の課題に対応できる基準を満たしている必要があると思われる。しかし,近年は国際大会の“Electronics”職種は,その競技内容,方法について国際大会開催ごとに変更が行われている状況である。例えば,競技で使用する工具に関する変更(2015年第43回),プログラム設計で使用するマイクロプロセッサの変更(2017年第44回)が行われた。今後の大会でも,競技内容,評価基準,使用機器,およびソフトウェアの変更などがあり得ると思われる。国際大会に関する情報,および競技の方向性をいち早く収集し,全国大会の競技方針に反映させる必要があると感じている。本稿が「電子機器組立て」に関わる技術者,および本職種の競技に興味をもつ読者の参考になれば幸いである。6.まとめ
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