城西大学 栗田 るみ子-15-出していくことが求められる」としている(1)(2)。とりわけ,プログラミングの指導に関しては,現在,高等学校ではプログラミング分野の履修率が約2割と低い現状から,全ての生徒がプログラミングを学ぶように取り組むとともに,中学校においては計測・制御に加えて動的コンテンツ等に関するプログラムを学ぶようにすること,小学校においてはプログラミングの体験的な学習機会を確保することなどが検討されている。こうした情報教育の一層の充実により,これからの社会を生きる子供たちに,情報を単に受け止めるだけでなく,整理・分析し,まとめ・表現し,他者との協働で思考を深めたりして,物事を多角的・多面的に吟味し見定め,主体的に新たな価値を生み出す力を育むとともに,情報モラルを身に付け,情報社会に主体的に参画し創造していこうとする態度を育んでいくことが期待される。総括するとメディアリテラシーの定着である。1.2 新しい学びの形とメディアリテラシー日本語ワープロソフト「一太郎」とATOKを開発し,PCを日本人のための日本語ワープロとして販売台数をあげていったジャストシステムは,2012年事業育成をメインとする研究開発型企業「メタモジ」を設立し,通信教育事業へ参入した。2012年11月には,タブレットを使った小学生向け通信教育「スマイルゼミ」を始め,インターネットネイティブの小学生に,新しい文房具のタブレットを提供した。これは2013年に日経優秀製品・サービス賞で最優秀賞を受賞。第10回日本eLearning大賞では初等教育1.1 教育の情報化「教育の情報化」という言葉は1999年12月に内閣が打ち出したミレニアム・プロジェクトのトップに掲げられ,現在に至っている。当初は全ての公立小中高等学校等がインターネットに接続できることや,授業で教員および生徒がコンピュータを活用できる環境を整備することが挙げられたが,現在は「教育の情報化」が目指すものとして,次の3点に整理されている。①情報教育子どもたちの情報活用能力の育成。(情報活用の実践力,情報の科学的な理解,情報社会に参画する態度)②教科指導における情報通信技術の活用情報通信技術を効果的に活用した,分かりやすく深まる授業の実現等。③校務の情報化教職員が情報通信技術を活用した情報共有によりきめ細やかな指導,校務の負担軽減等があげられる。また,平成27年になると,次期学習指導要領に向けた検討を行っている中央教育審議会教育課程企画特別部会「論点整理」において,これからの子供たちには,「解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不十分」であり,「蓄積された知識を礎としながら,膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し,自ら問いを立ててその解決を目指し,他者と協働しながら新たな価値を生み1.はじめに〜教師のためのプログラミング学習事例から〜モノづくりへのリテラシー教育
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