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図1　不動産販売事業経営者のセンスウェア図2　経営者のセンスウェアの4要素と整理している3）。その3要素にコミュニケーション力を付加して4つの要素で構成されると，職業大フォーラム2016報告では整理している。1）（1）現状認識力現状認識力は，特別な能力ではなく，経営者の心構えと実行で身に付くものである。3現主義（現場，現物，現実）で行動することで，見えてくるものと考えている。顧客の言動を聞き逃さないことや，顧客との直接対話の中から，顧客の声をきちんと聴くことにより，市場の変化を認識することができる。経営者のみならず管理者には，要求される能力である。（2）戦略立案力何をする会社かという経営目標を社員に明らかにすることは，重要である。それは，経営者が考える3年先とか，5年先の夢のある経営目標でなければならない。次に現状認識力によって把握した現状と設定した経営目標とのギャップを埋めるべく取り組む課題を実現する力が，戦略立案力である。リスクを予測し，現状の企業力を把握した上で，実行可能な戦術に裏付けされた戦略を打ち出すことが求められる。－8－（3）指導力指導力は，組織のリーダーに求められる。リーダーシップと責任感などである。組織が目指すべき具体的な目標を設定し取り組む時，組織の構成員にはできるだけ自主性を持たせ，それを見守り，問題が起きたら助言し，指導する。コミュニケーション力と連携することで機能するものである。坂巻久キャノン電子社長は「ドラッカーの教え「事業の定義は，目標に具体化しなければならない。そのままでは，いかによくできた定義であっても，優れた洞察，よき意図，よき警告にすぎない」4）を踏まえ，「世界のトップレベルの高収益企業になるため，すべてを半分にしようという目標を設定し，取り組んだ」｣「働き手を動かすのは自主性である。セル生産のレイアウト変更を90分掛かっていたが，40秒で出来るようにした」5）という報告からも，リーダーの指導力の必要性が分かる。「目標を設定し，取り組む」こと，「自主性を持たせ，それを見守る」のも指導力である。組織力をつける基本は，構成員の能力の向上にある。（4）コミュニケーション力人と人との間のあらゆる情報交換をするのが，コミュニケーションである。組織が組織として機能するためには，個と個をつなぐ，コミュニケーションが必要である。このコミュニケーションを機能化させるのが，人のセンスウェアである，知性と感性と心性の3要素である。『エンジニアに求められるセンスウェア』と題する小平の論文2）によれば，「コミュニケーション力は，感性と知性と心性が融合し，機能している」と報告している。さらに「知性とは，理解力，知識，経験である」「感性とは，感覚，創造，予見である」「心性とは，気力，誠実，利他の心である」とある。2.2　サービス業への転身の背景筆者のひとりである西河が，建設業から不動産販売事業に出ることを決断したのは，顧客である不動産事業者が土地を購入し，建設業者に基本仕様や予算を伝えてきて，その要求に従って企画・設計し，