(指導員はプラグ設置個所でも確認できる)メガープラグによる実習メガープラグ内部写真-33-に接続してあるネオン管が点灯する。また、実習場を停電状態にして測定することから、ほのかなネオン管の明かりでも十分判断できる。そのような特徴により、指導員は分電盤近くにいなくともメガープラグの設置個所でメガーの測定状況が把握できる。3.1 訓練生の質問とひらめき電気工事の実習で埋め込み型の配線器具を繰り返し使っていると、劣化や作業不良により破損することは珍しくない。私は電圧検知型パイロットランプの説明用に分解したものを残しておき、訓練生に見せるようにしている。電圧検知型パイロットランプの中身はネオン管が使われており、電圧を加えると放電によってランプが点灯する仕組みになっている。ある訓練生から「パイロットランプの抵抗を測ったらどうなるんですか?」と質問が出た。テスタで測定すると当然∞Ωになるが、メガーで測ると約0.1MΩとなった。【絶縁抵抗】と【0.1MΩ】、この2つのキーワードでメガープラグを思いつくのに時間は掛からなかった。3.2 内部構造以下の写真はパナソニック電工のWF5015という差込みプラグを使用したものであるが、接地極付のものであれば何でも良い。また、線路間測定用や200V回路にも応用が可能である。2.2 メガープラグを使用した測定実習メガープラグを使用した絶縁抵抗測定の一番のポイントは、既存のコンセント設備の任意の分岐回路に対して絶縁不良の状態を再現できることである。接地極付のコンセント設備であれば、このプラグを差し込むだけで準備が完了する。この「任意の回路に簡単に設定できること」が訓練生のやる気につながる。測定する訓練生は宝探しをしているような気持ちで、プラグの準備をする訓練生は宝を隠すような気持ちで実習に臨むことができる。もちろん、現場での作業は仕事であり遊びではないのだが、実際に訓練で使用してみると以前と比べて訓練生の集中力も違うのである。二つ目のポイントとして、分電盤分岐回路と屋内配線(コンセント設備)の関係が明確になることが挙げられる。訓練生は、各人がゲーム感覚でそれぞれ異なる個所(できれば誰も設定していないコンセント)にプラグを設置し、不良を設定したがる傾向がある。その結果、実習場の全ての分岐回路で絶縁測定を実施することになり、どのブレーカがどのコンセントにつながっているのかが明らかになる。三つ目のポイントは副産物的なものであるが、後述する内部構造にあるようにネオン管(ネオンランプ)を使っていること、絶縁抵抗計が125Vの試験電圧を加えて測定する仕組み(100V用コンセントの場合)であることから、測定中はメガープラグ内3. メガープラグが出来るまで
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