<参考文献>基本として、多様なニーズに柔軟に対応することが求められます。平成27年度の訓練は開始されたばかりですが、「ガントリークレーン運転研修」コースのシミュレータ訓練では、「訓練開始時の実機操作が今までに増して、スムーズに行われるようになった。」との報告もあります。35時間の訓練終了時に、それまでと比較して実機操作がどの程度上達したのか、注視していく必要があります。また、シミュレータ活用訓練の第1回の受講生は、港湾運送事業所の作業(安全)管理責任者の方で、天候条件の変化に対応する訓練や、訓練生概要レポートに関心を示され、今後同社の従業員教育への活用方法を検討されるとのことでした。平成25年度に厚生労働省が行った「港湾運送事業雇用実態調査」の、六大港職種別労働者数では、「ガントリークレーン運転者」(オペレーター)は425人とされています。ガントリークレーンの設置台数から推測すると、指定港93港では、600人ほどになるかと推測されます。こうしたオペレーター養成には、年齢的な要素、作業者の適正等を勘案しなければなりませんし、いわゆる“1人前”になるには一定の時間と、多くの経費がかかることは言うまでもありません。シミュレータを設置した全国唯一の機関として、実機を含めた訓練コースの実施、効果的カリキュラムの研究、シミュレータを活用した優れた技能者のデータの収集と数値化等々を通じて、オペレーター養成の一翼を担う研修センターに課せられた課題は多くのものがあります。-21- (注1)ガントリークレーン・シミュレータ (注2)「ガントリークレーン訓練カリキュラム等研究委員会」 (注3)試行訓練 (注4)検証会議 この報告文は、一般社団法人港湾荷役機械システム協会(東京都港区西新橋2-17-2)機関誌「港湾荷役」(NO.4 VOL.60 2015)に掲載された「ガントリークレーン・シミュレータの導入とカリキュラムの構築」のタイトルの一部を変更し転載しました。Kongsberg GlobalSim(アメリカ)製型式:ML4000厚生労働省の委託により設けられた委員会。学識経験者、港湾運送事業主、労働組合の代表によって構成。6回の「研究委員会」及び7回の「専門部会」が開催された。詳しくは、「ガントリークレーン訓練カリキュラム等研究員会」報告書にまとめられ、厚生労働省に提出された。平成27年2月、3月に計2回行われた。受講生はそれぞれ2名。港湾運送事業所から派遣していただいた。受講した訓練生、担当指導員、「研究委員会」及び「専門部会」委員により構成され、試行訓練最終日に、その成果についての検証をおこなった。5. おわりに
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