4/2015
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この研修コースに、シミュレータ訓練を組み合わせ、実機による訓練の安全性及び実機操作の能力向上をめざすこととしました。(1)シミュレータ訓練導入の意義研究委員会では、それまでの実機のみを使用した訓練に、シミュレータ訓練を導入することによる意義を専門部会の論議を踏まえ、次の様に整理しました。① 安全の確保が今まで以上に容易になること。訓練対象者が概ね初心者であることから、シミュレータ訓練の導入によって、より安全性の確保が期待できること。② シミュレータと実機の訓練を交互に繰返すことによる、技能向上効果が期待できる。③ シミュレータ訓練導入により、今まで以上に、技能の向上が期待できることから、実機訓練の教科内容を拡大させ、今までできなかった教科を導入することも期待できる。④ 指導態勢の見直しにより、訓練定員の増を図り、港湾運送事業主の期待に応えること。(2)新カリキュラムの検討結果教科の構成は、これまでの実機のみの訓練カリュラムを基本に、実機による訓練の前に、同様のシミュレータ訓練を付加することを基本に構成しました。シミュレータ訓練の時間は、全体で5時間としました。以下は、そのカリキュラム構成の概略です。また、実機の訓練時間を可能な限り確保するために、シミュレータ②の訓練と実機による「応用表1 カリキュラム構成(概要)-19-操作」訓練の一部を2名の訓練生が別々に受講する時間割にしました。(3)試行訓練(注3)による効果の検証② 気象条件(強風、雨、雪等)の変化に対応する訓練については、訓練生から一様に、「風の中での振れ止め、地切、着床は大変難しかった。今後の作業の参考になる貴重な体験ができた。」との評価を得る事ができました。③ 「訓練生概要レポート」は、効果を検証する上で、貴重なデータになりました。特に荷役経路が図で明示されることは、荷役時間全体の短縮に結びつける効果は大きいと判断されました。試行訓練を受講したある訓練生の1人は、「1年後に再度この訓練を受講し、1年間の現場作業での成長を確認したい。」との意見もありました。④ 教科毎の訓練時間設定の妥当性については、訓練生の習熟度・満足度から判断して、今回の訓練からは、一様な結論は出ませんでした。研究委員会では、新カリキュラムの有効性及び、シミュレータ訓練が実機の操作におよぼす効果を検証するため、試行訓練を2回実施しました。(1回18時間、1回定員2名)また、受講した訓練生及び担当した指導員の意見を基に検証会議(注4)を開催し、その効果を確認しました。① ガントリークレーンの操作技能で重視される“振止め操作”に関して、「実機操作の前に、シミュレータによって“振れを止める”必要性の学習と、実際の振れの止め方の訓練を行うことにより、訓練生が実機操作をする上で、その心構え(気持ちのゆとり)ができていた。」、「初心者である訓練生が、はじめて操作する不安感、緊張感がシミュレータ訓練によって軽減させる効果がある。」等々の成果を得る事ができました。検証会議では、「今後訓練を実施する中で、適切な標準時間を設定すること。」とされました。

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