を抽出し、改善能力を行う能力」、「多くの工程に対応できる知識・技能」が重要であると指摘している。ものづくり人材の知識・能力に変化が求められている。更には、技能系正社員に必要な研修として、「複数の技術・技能に関する幅広い知識を習得するための研修」、「新たな技術に対応できる専門知識を習得するための研修」、「新製品の加工に必要な技能を習得するための研修」、「新たに導入する製造設備の操作に関する研修」などを挙げている。今後、企業が新事業展開をするのに併せて訓練することができるように、成長分野の訓練カリキュラムの充実などをすると共に、地域の企業ニーズに応じてよりきめ細かな対応をしていくことが能力開発の訓練で望まれると指摘している。一方、新事業展開に応じて新たな人材を採用する企業ニーズに応えるためには、ポリテクカレッジにおける高等学校卒業者等向けの学卒者訓練やポリテクセンターでの離職者訓練において、より成長分野に沿った訓練、そして企業の新事業展開のニーズに応えた訓練とすることにより、企業のニーズに沿った訓練を受けた人材をものづくり産業に送り込んでいくことが重要であると指摘している。以上、ものづくり白書から報告したが、ものづくりを担う人材の育成には、今後益々環境問題に対応できる技術・技能を身に付けなければならないことが伺える。昨今の環境対策の状況について、著者が所属する学会・研究会から報告する。3.1 「エコものづくり研究会」(旧バイオマスの最近の進歩)(日本MRS学会所属)エコものづくり研究会は、日本MRS【TheMaterialsResearchSocietyofJapan(MRS-J)】6)に所属する研究会(一般社団法人)である。日本MRSは、材質・用途別、あるいは業種・職種別の縦割り的既成概念を超えた、材料に関する科学技術の専門家の横断的な研究交流を通じて、学術・応用研究及び実用化の一層の発展を図ることを目的としている学会で-30-あり、年次大会が毎年開催されている。「エコものづくり」研究会について、まずは立ち上げの背景から述べたい。この研究会の前身は、「バイオマスの最近の進歩」である。バイオマス関係を中心とした研究を中心に活動してきたが、昨今の環境を取り巻く動きから、平成26年12月の日本MRS年次大会より「エコものづくり」と研究会の名前を変え、以下に示す内容を中心に活動することとなった。今後、循環型社会を展開する時代が必要不可欠となってくる。循環型社会は、できる限り地球資源を大切に使い、廃棄物を出さないように、さらに出した廃棄物もできる限り再利用しようとする環境と調和・共生する社会である。その様な時代背景に先駆けて、「エコものづくり研究会」(一般社団法人 日本MRS)は、次の4つの理念に基づき、環境と調和・共生する先進的で世界的競争力のあるものづくり産業を目指すことを目的に活動している。①環境と調和し、環境と共生するものづくりを推進、②環境型ものづくりの促進、③循環型処理技術の推進、④環境保全活動に取り組む。「エコものづくり研究会」は、“エコものづくり”に関する最新の研究・開発動向を調査・発表・討論し、研究者・技術者はもちろんのこと、“エコものづくり”に多少なりとも関連する分野の方々に技術情報を提供する研究会である。これらを通して“エコものづくり”に関係する産業の発展に寄与したいと考えている。3.2 「エコマテリアル・フォーラム」エコマテリアルフォーラムは、「サスティナブルな、マテリアルの創製とマネージメント」の方向性を追及し、それを、社会およびそれぞれの主体の施策や研究開発の中に取り込んでいくことを目指すために活動している研究会(一般社団法人 未踏科学技術協会に所属)7)である。具体的な取り組みとして、以下の活動を行っている。持続可能な循環型社会における物質・材料の主役として、資源から廃棄までのライフサイクル全体を通じて、人にやさしく、環境負荷を最小にし、特性・機能を最大とする材料であるエコマテリアルを登場3. 学会・研究会にみる環境への取組み
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