3/2015
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「技能と技術」が創刊50年を迎えましたことを皆様と共に喜びたいと思います。本誌は、1966年(昭和41年)11月に職業能力開発担当者相互の交流と、職業能力開発事業全体の充実発展のため、各分野からの幅広い話題、教育訓練の実践事例等を紹介する目的で、当時の雇用促進事業団職業訓練大学校の調査研究部の編集により第1号が創刊され、本年で50年目を迎えました。創刊以来、この50年間には、組織母体であった同事業団は、雇用・能力開発機構を経て、現在、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に、本誌の発行事業の母体は、職業訓練大学校、職業能力開発大学校を経て、現在の職業能力開発総合大学校に、編集母体は職業訓練研究センター、職業訓練研究研修センター、研修研究センター、能力開発研究センターを経て、現在の基盤整備センターへとそれぞれ変遷を遂げてきました。これらの変遷は、いずれもその時代のニーズや課題に沿って組織や事業が見直されたものですが、本誌のタイトルは、創刊以来、一貫して「技能と技術」という名称で発行してまいりました。創刊50年を迎えたことを機に、タイトルである「技能と技術」はどのような由来で、どなたが命名されたのか、創刊号や記念号などをめくって調べてみましたが、端的に説明された箇所は見つけることができませんでした。この巻頭言で、諸先輩が「技能」、「技術」をモチーフにして書かれたものが何篇かありましたが、それぞれに色んな解釈や思いを持たれていることが確認できました。むしろ、テレビで中小企業の技能労働者の方が技-1-を競い合う番組などを視聴するにつけ、両者を分け隔てて考える必要はなく、本誌の立ち位置としては、専門誌という性格を保ちつつも、柔軟な内容で編集して、職業能力開発の現場で身近なものとして読まれるようにとの願いが込められ、シンプルかつ、色褪せることないこのタイトルが命名されたのではないかと勝手に納得した次第です。また、本号までに掲載された報告・事例等の中身を全部調べてみようかと思いましたが、現在では年4回発行、創刊当時は隔月刊であったということもあり、本号で通巻第281号に及んでいます。掲載された報告・事例等の本数の累計は、推計ですが2000本を超えるのでなかろうかと思われます。当然のことでありますが、各界のいろんな方からの多岐にわたる報告・事例等が掲載されていることもあり、その仕分け作業は断念いたしました。2009年(平成21年)3号(通巻第256号)の発行からは、それまでの印刷物から電子書籍化して、現在ではバックナンバーを含めて、基盤整備センターのホームページを通じて、どなたにも広くご覧いただけるようになっています。また、1995年以降の主要な報告・事例等の目次区分やタイトルなどをデータベース化しており一覧が可能です。今さらながら、これまでに投稿いただいた皆様の守備範囲の広さ、多様さを実感させられたところです。本稿を記すにあたり、「事業を創設し開始することには多くの困難を伴う、事業を廃止し、見直すことはそれ以上に困難を伴う、さらに事業が「目的化」されて単にこなすということではなく、不断の見直しを通じて当初の目的や意思に基づいて継続させ発職業能力開発総合大学校 基盤整備センター所 長 山口 紀博創刊50年を迎えて

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