建築都市研究室 K2 角本 邦久-21-おきながら、その実は諦念的な思考性に有る様に思われる。それはものづくりへのツールがコンピューター構築の世界観の中にあり、実感としての自然災害を宿命的に担う日本の国家的立地条件に根差したものにはなっていない感がある故である。世界はすべからく、近似的世界観で成り立っている。コンピューターに依るシミュレーション技術の発達も、全ては近似的解法に依って、その答えを導いている世界観の中にある。ものづくりを構成する四原因的に考えて見るならば、其れは技術としての作用因と材料としての質料因と概念としての形相因と建築物としての目的因とSUMMARY:Thisreportisbasedonthefollowingitems,namelythetea-ceremonyroom,theoldprivatehouse,theoldlocalhousewithprincipalrafter,thetraditionalmudwallwithbamboolath,theoldwarehousewithfireresistingmudwall,andthesurveyofthetemporaryhouseafterthewearingdamagebydisasterinEastJapan.Theseexamplesareshownhereasthepracticalmethodsonthearchitecturalcourseforthenextcomingarchitecturalstudents.ZUSAMMENFASSUNG:DieserBerichtistüberdenfolgendenArtikelbeschrieben,undzwardasTeehaus,dasalteprivateHaus,dasaltelokaleHausmitcharakteristischenDachsparren,dastraditionelleerdigefeuerbeständigeWandmitBambusLatte,unddieUntersuchungüberdemprovisorischenAufbaunachdergroßenErdbebenkatastropheinOstJapan.DieweitereInformationenstehenimfolgendenBuch,“DerBerichtüberdieAnwendungderPraktischenArchitektonischenErziehungsmethode,-DerBegriffvonArchitektonischenAufbauunddieAusübungen-”(inderJapanischenNationalenBibliotek).日本に於ける建築技術者養成のための教育機関に於ける社会的要請と使命とは、大きなものが期待されていると考える。それは教育機関に於ける教育的使命が、その時代の社会的要請に即応したテーマを設定し、それをより実践的に表現し、もって啓蒙的役割を果たすことにあるからである。然しながら、昨今の時代的風潮は、掛け声や謳い文句は、時代に沿った表現をしているかに見せて要約:今回ここに報告する内容は、卒業研究としての総合制作実習に於ける取組み事例であり、日本の伝統的構法に関する内容と東日本大震災の仮設住宅に関する調査実習の内容である。個々には、茶室、民家、合掌造り、蔵造り、伝統的土壁造り、そして東日本大震災後の仮設住宅の住環境調査の報告内容で構成されている。建築教育技法に関する事例研究の一環であり、個々の更に詳しい内容に関しては、末尾に紹介されている各参考文献を参照願いたい。1. はじめに―伝統の継承と建築的将来への道程―建築教育技法に関する実践的考察
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