図1ー1 一般的な有結節網地図1ー2 一般的な無結節網地ニチモウ㈱海洋営業部 橋口 博仁網地(ネット)は、海洋における水産物の漁獲・養殖、陸上における遊具や建設物の落下防止等、私達の身の周りで多種多様な目的に応じて利用されています。網地の材料には化学繊維や金属が用いられ、主に材料の種類は利用方法と設置される場所で求められる耐力によって選定されます。水産物の漁獲・養殖、家の網戸、遊具ネットには繊維を、道路の落石を防止するネットには金属(針金)を撚り合せた金網が用いられています。網地は、数本の撚糸(糸を束ねて撚り合わせた糸、網糸とも呼びます)、または針金を互いに網目の大きさに応じて交差させながら網目を連続的に構成する工業資材の一つです。一般に交差部を結節または組節と、網目の大きさを目合とそれぞれ呼びます(図1-1及び図1-2)。製造方法は、上述の用途に応じて網糸の材質や太さ及び目合サイズが決定され、製品の単位(長さや重さ)も異なります。本稿では、水産物の漁獲や養殖で利用される網地について種類を紹介するとともに、製造方法とその品質管理手法について紹介します。網地は大きく有結節網地と無結節網地の2種類に分けられ、その違いは網糸の交差部が結節か組節かにあります。結節を成している物を有結節網地、組節を成している物を無結節網地と呼びます。-15-有結節網地は比較的生産効率が良いので安価と言えます。その反面、結節部で繊維が屈曲されるので網地の破断強力は低くなります。(注:繊維は直線で使用された時その繊維本来の強度が保たれます。結び目のような屈曲があると破断強力は著しく低下する性質があります)その強度不足を補う為に開発されたのが無結節網地です。その名の通り結節のような屈曲部が無く1. はじめに2. 水産物の漁獲や養殖で利用される網地の種類―無結節網地の製造工程―漁網ができるまで
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