はめあい公差が要求される。また,シャフトホルダとの取付面とモータ取付面の平行は重要なためその平行度は0.01mmとする。⑸ ⑥センサドグは材質SUS304,厚さ1mmの板をレーザ加工機で切断後,曲げ加工する。⑹ ⑦センサレールはベースプレートに取り付けるため,ボルト穴を追加工する。⑺ 製品をつくる実習であるため,タップ立て加工にはタッピングボール盤,面取り加工には面取りカッターや面取り加工機を使用し,極力,手作業を避ける。 部品を加工したあと,寸法測定と形状測定を行い,部品の良否を判断する。学生は1年次の「測定実習」や「機械加工実習」においてノギス,マイクロメータの直接測定は実践的に習熟しているが,間接測定のダイヤルゲージ類を使いこなして寸法測定や幾何的公差を測定する経験は少ない。ダイヤルゲージ類を駆使した測定は加工現場では必須であり,三次元測定機など高額な測定機器に頼らない精度測定技術を指導しなければならない。以下に測定のポイントを示す。⑴ 配付する指示書「加工部品の測定と完成品の検査」に基づき,寸法測定では図面寸法のうち公差指示する寸法をすべて,幾何公差測定では,図面記載のすべてを測定する。⑵ 寸法や幾何公差を測定する測定機器はダイヤルインジケータ(ピックテスタ),スコヤマスタ,ハイトゲージとする(図6参照)。-31-⑶ 表面粗さ測定は図面指示の表面粗さをすべて測定する。⑷ 測定結果は支給する検査用図に赤字で記入し,不良の場合○で囲み集計値を表題欄近くに記入する。 できあがった部品を組立図や組立指示書に基づき,組み立ててテーブルを完成させる。経験の浅い者は組立図を見ても組み立てのポイントがわからず,組み合う部品を単に組み付けることになる。したがって,駆動テーブルの組み立てのポイントを指示の形で指導しなければならない。本課題では,ボールねじが軸方向にガタなくシャフトホルダAに組み付けることとボールねじが滑らかに回転することポイントになり,その調整方法を指導しなければならない。 組立手順は以下の通りである。⑴ ボールねじのモータ側軸端部に向き合うアンギュラ玉軸受2個とカラーを装入し,ベアリングナットで締め付ける。⑵ ボールねじのモータ反対側軸端部にラジアル玉軸受を装入し,C形止め輪で止める。⑶ ボールねじに取り付けたアンギュラ玉軸受をシャフトホルダAに装入し,両側からベアリングカバーをボルト締めする。このとき,玉軸受とカバーに隙間があると軸方向にガタを発生する。⑷ シャフトホルダAにシャフトを装入し,4個のリニアブッシュハウジングをシャフトに通す。⑸ シャフトホルダBにボールねじのラジアル玉軸受を装入し,シャフトを通す。このあと,シャフトホルダのスリット部をボルトで軽く締め付けてシャフトを固定する。⑹ シャフトホルダA,Bをベースプレートにボルト締めする。⑺ 上板をリニアブッシュハウジングとボールねじハウジングに軽くボルト締めする。図6に組み立ての途中(センサレール取付済)の写真を示す。⑻ 図7の状態で倒立させるとき,上板が滑らかに下降すればシャフト,ボールねじ間隔は良好と見実践報告3.3加工部品の測定のポイント図6 ダイヤルインジケータとハイトゲージ3.4組み立てのポイント
元のページ ../index.html#33