<参考資料>くりを考えていく。その1つのヒントになればと願う次第である。 再生エネルギーとしてのソーラーエネルギー利用を取り入れた,スマートシティーとしてのソーラーコミュニティー論の提案,その実施例としての陸前高田における復興計画案の提案については,更に,具体的な検討を加えていきたいと考えている。 計画案中に提案のある地震記念館等も,災害時には避難ビルとなる。この愛称“希望の松ミュージアム”の自然エネルギー利用を取り入れたより詳細な設計,各住宅地ごとの計画設計についても,より詳細な検討を加えていきたい(この点での若い技術者からの提案を期待したい)。 日本学術会議における,東日本大震災に関連する識者からの報告や提案は,一定の成果を得たものであり,日本の国づくりを考えて行く上で,多いに参考にして行きたいと考える次第である。この際に,広くリスクに関する周知への努力に関しても,一定程度の理解が必要とされるところである(参考資料4)。 これからの建築計画学と国土計画への視点についても,考えたい。 今までの建築計画や国土計画における視点としては,ものとものとの関係性に力点をおいて計画実施されて来た感がある。これからの建築計画や国土計画のための方法論は,より自然と自然の有するメカニズムに力点をおいた,国土の保有する立地条件にも力点をおいた,予想される災害を減らすべく,減災に力点をおいた,計画手法とそのための哲学的視点とが必要とされる。 今日の都市空間を眺める時,人工のものと人造のものとで埋め尽くされている光景を見る時,何とも不思議な人間世界の構成史としての対象を眺めている気がして来る。-44-1)角本邦久:「東日本大震災における復興計画提案,―ソーラーコミュニティー論も一つの提案―,シンポジウム「東日本大震災からの教訓,これからの新しい国づくり」,p.391~ 394,日本建築学会,3月1日~2日,2012年2)角本邦久,Kunihisa KAKUMOTO,“The Induction City for Solar Community of Dwelling Houses and Mansion Buildings with Collector Façade”,ALGODE Congress, in Nov. in 2011, Tokyo, Japan3)角本邦久,Kunihisa KAKUMOTO, “The Role of the Solararchitect with Solar Model House in Ability Development”, Submission No.1046, UIA Congress, in Sept. in 2011, Tokyo, Japan4)角本邦久(共著):「地震リスク評価とリスクコミュニケーション」,発行:(社)日本建築学会,2011年6月5)角本邦久 指導・監修:太陽エネルギー併用型住宅の建築環境及び住宅性能向上に関する研究:平成21年度総合制作実習卒業論文(その1~その3),2010年3月(国会図書館所蔵) これまでの世界構成史を検証すると共に,そのひずみを修正して行く志向性が,今求められる。 都市に自然の有する自浄作用を取り戻し,もっと人間が自然の有する自浄作用のメカニズムの中に生きられる,小規模スマートな生活空間づくりを目指すための哲学理論が,今必要とされている。 日本の有する英知に期待したい。 最後に,これまでの総合制作実習に熱心に取り組んできた,すべての実習生のご努力に,敬意を表すとともに,ここに感謝申し上げたい。 また,今回の陸前高田市における復興計画案構想をまとめるに際しては,現地とかかわりの深い中学校教諭千葉俊雄氏のご理解とご協力をいただいており,ここに感謝申し上げたい。 日影測定分析器とデジタルソーラーメーターを使用した実習に際しては,穂高電子(株)のご協力により実現したものであり,ここに感謝申し上げたい。実践報告
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