2.建物概要について3.シミュレーションについて画案の提言まで,ここに紹介する。 実習用モデルの建物規模は,3.6m×3.6mの大きさである。建物は,基本的に平屋であり,そこに外気導入型エネルギー利用システムのためのハンドリングBOXを設置するためのロフト部分が付いている。建物高さは,約6.5mである。 この実習への手順として,まず,建物の軸線を決定する必要があった。その目的のために,いくつかのシミュレーション作業を実施した。 建物の軸線と建物高さを決めるために,まず,真北測定および日影図作成が必要とされた。真北測定は,測定地点での経度による標準時地点との差を計算し,その日のその地点での南中時における影としての真北を実測した。 建物の真北軸を建築予定地において実測し,その軸線に合わせる。ソーラーパネルは,真南に向ける。敷地の形状および道路づけの関係で,微調整が必要な場合には,軸0度に対して,+-15度くらいまでは大きな支障はないとされている。 シミュレーション条件としては,パネルの方位角と傾斜角の条件設定,条件別年間発電量,一次シミュレーション発電量,二次シミュレーション発電量の検討を実施した。集熱面積 AcAc =太陽依存率×必要熱量/(受熱面日射量×全日集熱効率×(1-熱損失率))Ac =0.6×214.42/(14.28×0.55×0.9) =18.20m2(必要熱量 = 暖房付加+冷房付加) 実績値としては,2004年11月26日~2009年12月31日までの1862日間で,発電量4593kwでCO2削減量826kgの結果を得た。 住宅性能の一環として,断熱結露の検討を実施した。 INSYSソフトを使用し,モデル棟建物の各部位ごとに,断熱結露の検討を行った。この結果,日照条件の不利な北側屋根面に結露現象が見られた。対策として,防湿フィルムを設置し,結露発生を防ぐこ3.3 パッシブソーラーシミュレーションについて 外気導入型太陽エネルギー利用のシミュレーションについては,このモデル棟に関して,いくつかの条件を設定して,シミュレーションを実施した。図1は,屋根・壁の断熱材厚を100mmとし,屋根集熱面のカバーガラス長を,棟近くで1.5m長とした場合に,各部温度をプロットしたものである。 設置後の対策として,ソーラーパネル設置屋根面裏の天井面に関しては,設置後の温度上昇が考えられるので,他所に比べて断熱材の厚みを割増しすることが望ましい。実習用モデル棟においては,その点も考慮して,断熱材の厚みを割り増しして,250mm厚で施工した。 図1は,パッシブソーラーのシミュレーションソフトにより,条件設定して,得られたシミュレーション結果の一例である。3.4 断熱結露について実践報告3.1 真北測定と日影図作成3.2 太陽光発電シミュレーションについて図1 パッシブソーラーシステムのシミュレーション結果-30-
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