1.はじめに2.背景*1 現 山形職業訓練支援センター *2 千葉職業能力開発短期大学校 専門課程2年次に取り組んだ製作課題は,複数科目の共通課題とし,最終的に技能証査の課題となるよう取り組んだ課題である。機械設計製図からスタートすることから,機械設計製図と機械加工,メカトロニクス実習等を担当していた筆者らが製作時間を考慮しながら製作課題の仕様,構想を行った。 課題設定するに当たり,標準カリキュラムで実施していること,課題の中に盛り込む必要がある必須の項目があること,年次ごと変化を大きくしたのでは学生から見て疑問に思う点も出る,などの考えから,装置の主要な機械要素を共通化させた。 課題設定の上では訓練計画する必要性や,また,2年間で段階を踏みながら科目を履修することになるので,その関連を明確にしておく必要もある。そこで設計製作の仕事との関連を明確にする目的でCUDBUSの能力要件シートを活用して,能力要件を明確にして設定してきた。制御技術科専門課程2年次に実施した複数科目による製作課題の設定について報告する。 1年次で専門基礎科目を履修し,2年次で専門科目を履修する体系になっている。また,2年次の修了直前には技能証査を行う。2年次では設計製作の技能と技術 2/2012-25-実習科目として5期,6期に機械設計製図,システム設計,機械加工実習,数値制御機械実習,シーケンス制御,メカトロニクス実習などを履修する。 専門課程は2年間で科目の履修を重ねメカトロニクス,エレクトロニクス,コントロール技術を習得する。それ単独で履修を重ねていくことで,技術の習得を行い,最終的に卒業製作を行っていくなかで当初の目的を達成できる。共通となる製作課題を設定し,授業科目の中で設計製作過程も経験していくことで,訓練の効果もあがるものと考え,科目間共通の設計製作課題を設定することとした。 設計の工程は,図面の作成=設計の完了ではなく,製作費用などが決定する重要な工程であるとの認識を持つことが大切である。修了後の就職でも,製造関係に就職する学生が,入社後に生産技術部門や品質管理部門など,いくつかの部門を経験した後に設計や開発部門に配属されるパターンがあるの2.1 設計製作課題の実習,授業科目2.2 仕事との関連図1 設計製作課題の実習,授業科目-授業科目の連携による実践的ものづくり教育の取り組み-喬橋 憲司*1 池田 愛彦*2 若林 晃*2機械設計製作課題の設定について
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