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図9 CNAD近くのタコス屋台46図10 世界遺産テオティワカンピラミッド図11 ラテンアメリカタワーから観たメキシコシティ朝10時にホテルに迎えに行くから」こうして,週末の予定がどんどん詰まっていった。「ごめん,週末はもう予定で一杯なんだ」と答えると,「よしわかった。じゃぁ,今晩タコス食べながらセルベッサでも飲みに行こう」こうしてアフター5もどんどん予定が詰まっていった。いつの間にかハードスケジュールである。みんなこちらの都合は考えてくれない。高山病で頭が痛い(メキシコシティは標高2300m)。時差ぼけで眠れない(日本との時差マイナス15時間)。食あたりで食欲がない。それでも,お構いなしで誘ってくれる。特に辛かったのは,メキシコ到着後4日目に誘われたサッカーの試合だった。試合観戦ではなく,仕事が終わったアフター5にみんなでサッカーの試合をするから,一緒にやろうというものである。空気が薄い中,調子に乗って走り回ったところ,案の定,わずか10分で息が上がってしまい,動けなくなってしまった。 こうして,いろいろな人にいろいろと誘っていただけたのだが,だれ1人として約束した時間に現れたことはなかった。平気で30分,40分と遅刻をし,謝るのかと思ったら,どうやったらそこまで思いつくのだろうというすばらしい遅刻の言訳を始める。良くも悪くも,これがメキシコ流なんだなと感じさせられた。 前回,今回の派遣とも,いろいろな人にいろいろなところに連れていってもらった。しかも,みんな家族総出で歓迎してくれた。おかげで,観光で行ったなら絶対に体験することができなかったであろうことをたくさん体験し,すばらしい思い出を作ることができた。 メキシコでは,英語は全くといっていいほど通じない。英語を話せるのは,ほんの一握りの高等教育を受けた人だけだそうである。したがって,週末に買い物に出歩くと,そこはもうスペイン語しか通じない世界である。筆者は,スペイン語は全く理解できない。仕方ないので,街中で,もしかするとと思って英語で話してみても,全く通じないのである。それなら,わざわざ英語で話す必要がないと開き直って日本語でしゃべる。そうすると,案外,雰囲気で察してくれることが多かった。言葉が通じなくてもあきらめずに最後の最後まで付き合って,理解しようとしてくれる。このあたりもメキシコ人の良さなのかもしれない。 ただ,残念な部分も垣間見た。メキシコも,現在不況のあおりを受け,失業率が増加しているそうで技能と技術

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