2.スターリングテクノラリー概要(1)1.はじめに北陸職業能力開発大学校高橋 茂信図1 スターリングテクノラリー大会風景2.1 競技会概要4特集 スターリングエンジンは密封された空気などの媒体を過熱することにより動作する外燃機関のエンジンである。自動車などの内燃機関のエンジンに比べ,低騒音で熱効率も高く排気ガス等が排出されないため,環境にやさしいクリーンなエンジンである。したがって,二酸化炭素ガスの排出増大による地球温暖化の問題に対する対策機器としての資格を十分に備えているエンジンとしての立場から,その設計製作を行うことは,今後重要視される環境問題への関心を高めることに役だつと考えられる。 またスターリングエンジンの製作の工程としては,デザイン,理論計算,要素設計,機械加工,組立,調整等が含まれており,専門課程制御技術科および生産技術科2年間で学んだ技能と技術の集大成となる題材としても適していると考えられる。 そこで本報告では,著者が2003年から2009年まで千葉職業能力開発短期大学校および北陸職業能力開発大学校にて取り組んだ課題について取り上げた。ベースとなる模型スターリングエンジンの設計製作からスターリングテクノラリー参加のための期待の設計製作,といった一連の流れを1年間の総合制作実習の中で実施した。その結果や問題点・今後の改善点を報告する。特に,7年間の中で製作したエンジンの内容と訓練生への指導という2つの観点を重点的にまとめた。1/2010 スターリングテクノラリーは,毎年11月に日本工業大学(〒345-8501埼玉県南埼玉郡宮代町)を会場に,全国からさまざまなサイズや形式の自作エンジンが集まり競技大会が開催され,スターリングエンジンとその関連技術の発展・向上を期して主催者・参加者全員が協力して行う技術的競技である。これは総合制作課題の成果を試すには最適の場である。 2009年11月に開催された第13回スターリングテクノラリーでは,6クラスに分かれ競技が実施された。競技の様子を図1に,クラス分類を表1にそれぞれ示す。23新技術・新産業にかかる職業訓練の現状について― 総合制作実習からの報告 ―外燃機関エンジンの設計・製作
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